医学生実習についてTraining for Medical Students
精神科医療が体験できる
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公益財団法人林精神医学研究所 附属林道倫精神科神経科病院
医局事務課 医学生担当
Tel.086-272-8811FAX:086-272-8491
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実習のねらいThe Goal of Our Training
- 低学年
- 精神科医療の“治療の場”を知ってもらう 症例を取り上げ、その症例を中心に医師やコメディカルがどのように関わり、治療を行っているか、精神科のチーム医療について理解してもらうことを目標にしています。その際には疾患についてだけではなく、患者さまが抱える悩みや生活背景を理解することも視野に入れています。実際に病棟診察に陪席しながら疾患や状態像について理解を深めてもらいます。加えて、看護師、精神保健福祉士、臨床心理士、作業療法士などからはケースについてのレクチャーを、またタイミングが合えばCC(ケースカンファレンス)に参加してもらいます。
- 高学年
-
より症例と疾患に焦点をあてて
臨床講義やポリクリを終えられた方については、それぞれ興味のある分野、疾患を中心にプログラムを組みます。
〈例〉
- ・認知症であれば、外来での鑑別診断のプロセスから認知症専門病院での治療について
- ・うつ病であれば、急性期病棟での診察陪席から薬剤の処方、社会復帰の実際について
大切にしているのは、
患者さま個人に焦点を当てた
“ケーススタディの視点”と
卒後求められる
“チーム医療の視点”です。
研修例Some Stories from Our Trainees
研修例1地域での精神科医療を
学びに来たAさん
5年生のAさんは、地域の中にある精神科医療を学びたいとのことで実習の申し込みをされました。事前に興味のある分野やテーマを伺い、本人の希望に沿いながら病院内での医療から退院後の支援までの一連の流れを知っていただける実習としました。
スケジュール
1日目
- AM
-
- ・外来診察陪席
- PM
-
- ・アルコール病棟:認知行動療法
プログラム参加 - ・医師研修委員会参加
- ・アルコール病棟:認知行動療法
2日目
- AM
-
- ・病棟OTプログラム参加
- ・ランチ&作業所見学
- PM
- グループホーム訪問同行
Aさんの感想
- 外来診察陪席
- 疾患名ではくくれないような多様な患者さまが来院しており、医療者は一人一人の診察室の外での生活の理解と、細かな変化を感じ取る観察眼が大切だと感じました。
- 認知行動療法
- 患者さまごとに病識やアルコール依存に対する捉え方が異なっていることが印象的でした。患者さまの病気にたいする知識を増やし、自分の行動や認知を知るうえで有効な療法だと感じました。また、ファシリテーターの看護師の方は参加者から話を引き出し、依存症病棟の医療者の関わり方を見ることができ、貴重な機会でした。
- 病棟OT
- 茶道の作業療法に参加しました。作業療法士の方、アシスタントの方、茶道の先生がいる中で利用者の方が適度に緊張しながらも安心して取り組める憩いの場になっていると感じました。続けていく中で自分の成長を感じたり、役割を見出すことが出来ているようでした。様々な疾患や障害がありながらも、作業療法の中ではそのことを感じさせず、「その人」が前面に出ていました。
- 作業所見学
- 作業所の見学では、病院の患者さまから出た洗濯物を手洗い・機械洗いし、また患者さまへと返す事業の様子を見学しました。利用者の方が実際に人の役に立ちながら社会へと参画し、それが持続的な療法のようになっていると感じました。お昼に伺ったお話では、障害が生きづらさにつながる背景には、個人の因子よりもむしろ社会や環境によるものが大きいのだと考えさせられました。チーム医療のなかで診断と処方が医師の専門として求められますが、そのベースに人権意識や他社の尊重が飛鳥であることを再認識しました。
- グループホーム
訪問同行 - グループホームに新規で入居する方の病院間との往復、郵便局での入金に同行させていただきました。普段何気なく行っている「目的地に向かう」「その道中に別の用事を済ませる」という行動は意外といくつかの工程で成り立っていて、利用者の方が緊張しながら1つ1つ行っている様子は新鮮に感じました。世話人の方はなるべく手を出さず、利用者の方が出来るところまで引き出して1人で少しずつ出来るようになってもらえるよう留意している様子が窺えました。
研修例2低学年で精神科に
興味を持ったBさん
2年生のBさんは精神科の講義をまだ受けていない状態での実習でした。まずは精神科の病院がどんなところでどんな雰囲気かを見てみたいという希望に沿い、1日のみで病院内で完結するプログラムとしました。
スケジュール
1日目
- AM
-
- ・病棟診察陪席
- PM
-
- ・デイケアプログラム参加
- ・心理講義・箱庭療法体験
Bさんの感想
- 病棟診察陪席
- 薬に関して数を減らす相談や副作用の相談をしていたのが印象に残りました。予定的に忙しそうな患者さまには必要な事項の聞き取りを簡潔に、前回あまり良い状態でなかった方には時間をかけたりと、患者さまによってベストな選択をされているなと思いました。
- デイケア
- 皆さん実習生にも慣れていて、よく話しかけてもらえました。本当に普通にグランドゴルフをしましたが、全然以前まで入院していたというような印象がなかったです。
- 心理講義・
箱庭体験 - 箱庭を作るのがとても楽しかったです。集中・熱中して作成することが楽しいことなので検査ではなく療法だという理由がよく分かりました。
研修例3仲間と一緒に
実習に来たCさん
Cさんはサークルの仲間合計5名での団体実習を行いました。低学年で初めて精神科に来られた方もいたため全員でのプログラムと、それぞれに合わせた個別でのプログラムを混ぜながら精神科に触れてもらいました。
スケジュール
1日目
- AM
-
- ・病棟診察陪席
- ・心理講義と箱庭療法体験
- PM
-
- ・グループワーク(リカバリー研究会・デイケア・認知症デイケアに分かれて)
- ・医師との懇談
- ・夕食交流会
2日目
- AM
-
- ・院長より講義
- ・地域医療部長より講義
- ・当事者の方との懇談
- ・ランチ&作業所見学
- PM
-
- ・患者訪問(訪問看護とグループホーム訪問に分かれて)
Cさんの感想
- 診察陪席
- 院長先生と患者さまのやり取りの仕方、ご家族との対話の仕方、ケースバイケースで対応している姿がとても印象的でした。また、質問に対しても丁寧に答えてくださりとても勉強になりました。
- 心理講義・
箱庭体験 - 箱庭体験をさせてもらい最初に思ったことはとにかく楽しかったということです。自分の内面に潜む世界観を体感出来てとても良かったです。また、担当の先生の解説がほとんど当たっていたことにものすごく驚きました。
- グループワーク
(リカバリー研究会) - 実際にリカバリーをされている方々の中に加わり話をさせて頂きました。初めはハードルが高かったのですが、慣れてくると自分たちの考えていることを実際に口に出してみることで自然と自分を出せるのだなと思いました。同時にPSWの方の力を間近で感じられ感銘を受けました。
- 院長・地域医療
部長講義 - データでは見えない疾患と向き合う精神科は、探り探り病気を特定していく上でチームプレイが大切だと感じました。また、講義の中で語られる熱い思いに感銘を受け、医師としてどう在るべきかを改めて得考える良い機会となりとても感謝しています。「人薬」という言葉がとても印象に残りました。
- 当事者の方と懇談
- 自分が思っていたよりも当事者の方は健常者とあまり変わらない印象でした。自分の過去と向き合って一生懸命前を向いて人生を過ごしている姿がとてもかっこよく素晴らしいと感じました。辛い経験をしながらもそれを人に話せるようになる過程には仲間やPSWの存在が大きいのだなと思いました。皆さん個性的で、とてもやさしい心を持った方々で、当事者の視点で見た医師の姿、こういう医師になってほしいという声を聴けて良かったです。
- ランチ&
作業所見学 - 支援事業所には何度か行ったことがありますが、今回のように病院と連携しているところは初めて見学しました。作業がとても丁寧であるにも関わらず、賃金の問題など多くの問題が山積みになっていることを痛感しました。
- 患者訪問
(訪問看護同行) - 実際に体験してみて、ヘルパーや看護師の方々の患者さまへの対応の仕方や工夫、訪問に対する知識を色々と教えていただきすごく有意義でした。ケアマネージャーさんと連携しているのも印象に残りました。
精神科セミナー
林病院では毎年夏に「精神科セミナー」を開催しています。対象は初期研修医、医学生で、北は北海道から南は沖縄まで全国から参加があります。
一泊二日で講義とフィールドワークを行い、チームで行う精神医療の実際を体験してもらいます。各地から来る精神科に興味のある参加者とも交流ができます。
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公益財団法人林精神医学研究所 附属林道倫精神科神経科病院
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