先輩医師からのメッセージ

精神科医師として毎日患者さまと向き合う現役医師から
皆さんへのメッセージです。

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原 紘志医師

男性でも育休が取れる病院です。


■精神科の面白さ

精神科は、普通は他人に隠して秘密にして生きている情報、心の問題を、唯一打ち明けられる職業であり、それを面白さというと不謹慎ですが、その秘密を共有して一緒に悩み、考え抜くところに醍醐味があります。
精神疾患の治療だけでなく、例えば社員や教職員の過重労働問題や、パワハラ問題、児童虐待の問題などなど、ソーシャルワークの知識や、法的な知識もある一定以上を求められ、医学の枠で手に負えないことが多い科ですが、反対に言えば医学の枠外のことをこれ以上に知りうる科は他になく、それが面白さでもあります。

■林病院の良さ

民医連全体がそうだと思いますが、地域志向の方針を持っており、実際、林病院には患者さんを社会でどうやって支えようか考えるマインドを持ったスタッフが比較的多いです。私自身も、地域精神保健に興味があり、往診ケースに積極的に取り組めるよう、業務も配慮してもらっています。
また、男性医師としてはかなり珍しいと思いますが3ヵ月程の育児休暇を申請し、快く取得させてもらいました。待機児童問題が岡山市は深刻ですが、林病院には院内保育園があり、中庭で我が子が遊んでいる姿を眺めながら働いています。

■研修医・医学生へ向けて

私自身、医学部低学年の頃から林病院関連の作業所にボランティアで関わらせてもらうなど、医学生の頃にしか出来ない体験もさせてもらい、貴重な経験になっています。白衣を着て医師の立場になってしまうと聞けないこと(患者さんの医療者に対する本音や、コメディカルから医者に対する思い等)もあるので、ぜひ現場を覗きに来てみてください。


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本田肇医師

精神科は奥が深いところが面白いです。


■精神科の面白さ

よくわからんところですか。というと、大丈夫か?と不安になるでしょうね。精神の病気の原因については、さまざまな仮説がありそれを裏付ける科学的な根拠となる知見は日々みつかっているのですが、なにかの検査をして、確定診断がつくような病気はごく一部です。いわゆる精神医学だけでなく脳神経科学、生理学、生化学、薬理学、心理学などさまざまな領域の知識と想像力、ならびに常識(?)、さらには制度や社会資源を総動員して、診断、治療を行うことが、大変ですが、精神科のおもしろいところでもあります。

■林病院の良さ

どの科でも医師やコメディカルと患者さんとの関係は治療に大きな影響をおよぼすものです。こと精神科ではその影響がとくに大きいように思います。良い関係を築くには、病気の理解だけでは不十分で、その人の人柄、家族をふくめた人間関係、経済状況など、そのひとの特徴を理解しておくことが大切です。そのような“そのひとを理解”、そのうえで治療的に適切な関係を築けるという点で、林病院のスタッフはとても優れているように感じます。

■研修医・医学生へ向けて

内科や外科では検査で得られた画像や血液データなど客観的な情報が診断の根拠となります。精神科の領域でも血液検査や脳画像検査などで臨床的な診断に有用な検査はありますが、詳細な病歴と診察によって得られた症候で診断することが基本です。そこにはマニュアルを読むだけでだれでもできるお手軽さはなく、教科書の記述に当てはまらないことが日常茶飯事で、経験をつんでも、診断や治療に自信がもてず悩むことの繰り返しです。しかし、その繰り返しのなかから、“これだ”と確かな手ごたえ、自信をつかんだときの喜びはおそらく精神科ならではかもしれません。そのような、不確実で奥深い精神医学に少しでも興味を持ってもらえたらうれしいです。