専門医研修・転科希望医師研修プログラム

専門研修の特徴

精神科のcommon diseaseを偏りなく経験できます。

基幹病院である林病院は年間の入院数が多く、幅広い症例を経験できます。

精神科リハビリテーションを重視した環境の中で学ぶことができます。

デイケアや訪問看護、グループホーム、就労支援事業所など、診察室以外での研修により、
病気を生活の場から捉え、患者さまが“地域で生きる”ことを支える視点を養います。

専門研修プログラムの概要

研修期間3年間(4年間も可能)で、前半2年間は基幹施設である林道倫精神科神経科病院(以下、林病院)にて精神科の急性期治療からリハビリテーション、アルコール依存症治療、地域生活支援について学びます。ここでは精神科医としての基本的な倫理性や患者・家族への思い、疾病に対する学問的な態度を身につける。そして発病から回復を通じてその人の生き方に関心を払い、援助できる態度を養います。
さらに連携施設の認知症専門病院にて認知症の診断、治療、支援について学びます。


後半1年間は、連携施設にて児童・思春期精神障害、mECT等の専門治療やリエゾン・コンサルテーションについて学びます。一般病院において、診察室にとどまらず往診や訪問、自助グループ等を組織して患者を援助する精神科の活動を経験できます。さらに林病院の病棟管理医を経験し集団的に患者を診ることで、各職種と連携・協力し、チーム医療を実践できる医師に成長することができます。 3年間の研修終了後、症例をまとめてレポートを提出し専門医及び精神保健指定医を取得します。


年次到達目標

1年目 指導医と一緒に統合失調症、気分障害、器質性精神障害の患者等を受け持ち、面接の仕方、診断と治療計画、薬物療法及び精神療法の基本を学び、リエゾン・精神医学を経験する。とくに面接によって情報を抽出し診断に結びつけるとともに、良好な治療関係を構築することを学ぶ。発病から回復を通じてその人の生き方に関心を払い、援助できる態度を養う。
医師研修委員会や院内カンファレンスで発表する。
2年目 指導医の指導を受けつつ、自立して、面接の仕方を深め、診断と治療計画の能力を充実させ、薬物療法の技法を向上させ、精神療法として認知行動療法と力動的精神療法の基本的考え方と技法を学ぶ。精神科救急に従事して対応の仕方を学ぶ。神経症性障害および種々の依存症患者の診断・治療を経験する。医師研修医委員会や院内学会で発表し討論する。研究所が発行している研究所報へ投稿を行う。
3年目 指導医から自立して診療できるようにする。認知行動療法や力動的精神療法を上級者の指導の下に実践する。心理社会的療法、精神科リハビリテーション・地域精神医療等を学ぶ。児童・思春期精神障害およびパーソナリティ障害の診断・治療を経験する。外部の研究会などで症例発表する。
4年目 症例をまとめ、精神科専門医と精神保健指定医取得を申請する。
また、研修を続けた場合、病棟を受持ちチームリーダーの役割を担い、外来では新患を担当する。症例に限らず医療活動や病棟運営についても医師研修委員会に発表し検討する。
  • 連携施設1:岡山ひだまりの里病院
  • 連携施設2:岡山県精神科医療センター
  • 連携施設3:愛媛生協病院
  • 連携施設4:宇部協立病院
  • 連携施設5:鳥取生協病院

研修プログラム

希望に応じて研修はアレンジできます。院外研修も相談可能です。

【一年目の週間スケジュール】
始業前 必読文献
午 前 病棟CC
病棟回診
病棟CC
病棟業務
病棟CC
病棟回診
病棟CC
外来
病棟CC
病棟業務
午 後 入院外来 心理テスト
隔週医局会
症例CC
病棟運営会議
心理社会教育 指導医SV (家族会)
夕 方 研修委員会 クルズス

1. 一般精神科研修

研修の目標:
急性期治療病棟で各種精神疾患の急性期対応を中心に研修し、退院まで一貫して治療を行なう。
研修の課題:
1.
患者や家族の苦悩を受け止める感性と共感する能力を有し、その問題点と病態を把握し、治療を含めた対策を立てることができる
2.
患者・家族をはじめ多くの職種の人々とのコミュニケ-ション能力を有し専門性を発揮し協働することができる
3.
根拠に基づき、適切で、説明のできる医療を行うことができる
4.
臨床場面における困難に対し、自主的・積極的な態度で解決にあたり、患者から学ぶという謙虚な姿勢を備えている
5.
症例をまとめ、発表できる
6.
チームリーダーとしての能力を獲得する
7.
医師として自己管理意識を持ち、自らのクライシスに対処してゆく
8.
精神科医としてのアイデンティティを確立する
9.
高い倫理性を備えている

【クルズス学習】
臨床研修と並行して、クルズス(講義)を受け、理論的学習を行います。
① 精神科救急、事故の際の対処法
② 精神科薬物療法総論
③ 精神保健および精神障害者福祉に関する法律、およびその他の医療法規
④ 精神医療の歴史と現状
⑤ 精神科における診断:精神症状・状態像のとらえ方、所見の取り方・記載の方法
⑥ 主治医とは何か
⑦ 治療関係、医師患者関係、精神療法の初歩、患者心理へのアプロ-チ
⑧ 入院の判断
⑨ 脳波実習、脳波の判読法の基礎
⑩ 心理検査について
⑪ リエゾン精神医学について
⑫ 各種診断書類の取り扱いについて

【外来研修】
① 一般精神科研修中は、複数の医師の外来診療の見学を行う。
② 6ケ月までは新患外来を見学し、面接・診断・投薬・カルテ記載を学び、
  6ケ月以後より外来新患の診察を行う。経験した症例を研修委員会に報告する。
③ 退院患者のフォローをする形で外来診療を開始し、6ケ月後より外来を標榜する。

2. アルコール依存症研修

研修の目標:
アルコ-ル依存症の専門知識および治療構造を学び、治療への導入や危機介入ができるようにする
研修の課題:
1.
当院のアルコ-ル医療の治療構造を学び、アルコ-ル依存症者の精神病理および、集団力動について理解を深める
2.
他の医療機関・福祉・保健所とのネットワ-クを学ぶ

3. 認知症研修

研修の目標:
高齢者の精神科医療についての理解を深める
研修の課題:
1.
高齢者の精神医学的・生理学的特徴を理解する
2.
認知症の病理を理解し、診断できるようにする
3.
老年期精神障害の治療を学ぶ
4.
せん妄の治療を学ぶ
5.
認知症の家族を理解する
6.
認知症を支える社会資源・制度などの理解を深める
7.
認知症医療のシステムを学ぶ

4. 病棟管理医研修

各職種と連携・協力し、チーム医療を組織し実践できるようにする。患者を個人でみるだけでなく集団でみて、病棟の治療構造を配慮できるようにする。

1.
集団精神療法の治療計画をたて実施し、それを評価する能力を身につける
2.
研修病棟では基礎研修医の相談役の役目もはたす
3.
病棟管理にあたっては、相談役の医師を配置する
4.
患者の社会復帰に向け、家族や他職種・関係機関と協力して、治療・指導を行うことができるようにする

5. 地域医療研修

デイケア、訪問看護、精神保健福祉センター、就労支援事業所など関連機関の見学を行い、地域生活支援について学ぶ。


6. 児童・思春期研修

児童・思春期領域の精神医学について研修を県内の連携施設で実施する。

7. リエゾン研修

県内外の総合病院あるいは診療所(連携施設)の協力を得て、多様な患者の診断・治療に当たり、リエゾン・コンサルテーションの技術を学ぶ。

1.
医師(専攻医)は当専門研修プログラムへの採用後、研修施設群のいずれかの施設と雇用契約を結ぶこととなります。
2.
本専門研修プログラムは、日本精神神経学会による一次審査を通過したものであり、今後日本専門医機構による二次審査を踏まえて修正・変更があることを予めご承知おきください。